「アレン、どうしたの」
「え?」

はふと空を指す。雲一つない真っ青な大空が広がっている。

「ずっと眺めている。鳥も飛んでいないのに」
「別に、楽しくて眺めているわけじゃないんだけどなぁ」
「じゃあ、暇?」
「え、うーん…少し違う?」
「自分でも、分からないのね」

アレンがから目を離すよりも先にが首を反らす。見上げる大空には雲も鳥も、太陽すら見つからない。

「ねぇ
「うん?」
「僕らが今まで壊してきたAKUMA達は愛が生んだものだよね」
「少し過程を省けば、そうね?」
「人の愛を、壊しているのかな」
「…え、っと…」

アレンは瞳に悲しみを湛え、は思案の顔付き。はたから見ればどれほど滑稽であっても2人には関係ない。

「愛を、つなぎ留めている、かな」
「そう、か」

がゆるゆると出してきた意見に、アレンは肯定も否定もしなかった。も他には何も言わない。

「このひと達もそう思ってくれているのかな」
「感謝されるほどにね、英雄さん(アレン)

寡黙な観客はついに崩れて砕け散った。


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