「え? うーん、2人とも仲良しだと思うな。一方的にも見えるけど……お互い違う所で支え合ってる感じかな、明るく盛り上げるきーちゃんと落ち着きあるちゃんとで。んー確かに、特にファンの女の子達は釣り合わないっていう子が多いよね、失礼しちゃう、ちゃんあんなに可愛いのに! 拗ねてる? きーちゃんが? もっと甘えてほしいとか……そういうタイプじゃないもんね。え、嫉妬してほしいから? あはは、それなら、ちゃんあれで結構ムッとしてはいるんだよ。そういうの全然伝えたりしないもんねー、きーちゃんに迷惑かけたくないんじゃないかなぁ」
「はぁ? あいつらか? 知らねえよ、そんなん。いいんじゃねえの、楽しそうだし。釣り合うの釣り合わないのって話は分かんねーけどあいつ見に来る女ってうるせえのばっかだよな、他所でやれってんだよ。黄瀬が拗ねてる? がヤらせてくれねえとか……いって、バカ、さつき! なんで殴んだよ? 思った事言えっつーから言ってんじゃねーか!」
「黄瀬とだと? よくあの黄瀬と一緒にいられるのだよ。煩くて敵わん……本人が良ければ良いのだろうが。何? それは何を基準として不釣り合いだと言っているのかにもよるな。他に何も言えないだけなら負け犬の遠吠えに過ぎん。黄瀬が拗ねている? の方が余程やりきれないと思うが……まあ、自分の意見を言わないからそうなるのだよ」
「えー、何、話? めんどくさ……あ、それ新味のまいう棒じゃん、くれんの? ……黄瀬ちんとちん? いいんじゃない、周りがどうとか知らないけど2人は仲良いよ。黄瀬ちんばっか騒いでる感じするけどねー。ちんも黄瀬ちんの事大好きーみたいなとこあるよね、赤ちんと桃ちん以外は黄瀬ちん優先じゃん。あ、なくなっちゃった……もういい?」
「彼らが何か? そうだな、互いに思いやると言うには歪かもしれないが、よくやっていると思うよ。涼太は分かりやすいし、も態度ははっきりしている、何かあればすぐ分かってしまうからね。あぁ、妬みたい人間には妬ませておけばいいが問題は起こして欲しくないな。涼太の方が……どうだろう、そうやって困らせているようにも見える。そういう構われ方や構い方でいいのかは疑問だけどね」
それで黒子っちにはどう見えてるんスか? という黄瀬の嬉々とした問いに思わず黒子は黙った。
どうでしょう、と首を捻り、また戻す。
「僕はお2人自身がどう思っているかの方が知りたいです」
「俺らはいいんスよ! ラブラブっスからね」
「……そうだったの……?」
はショックを受けたかのように恐る恐る声を出した。違ったんスか、とその顔を見下ろす黄瀬の声も恐る恐るになる。そんなやりとりが出来るだけで充分仲の良い証拠だろう。泣きそうに表情を崩す黄瀬と少しだけ背伸びして黄色い髪を撫でつける無表情のを見て、黒子は赤の他人が何かを言う不必要性について考える事にした。