目を閉じて、息を吸う

目を開いて、息を吐く


目の前にある色を、消そうとした。

「ちょちょちょちょっと待って!」
「煩い、どこから入ってきた馬鹿兎」
「ユウが入ってるさ!?戻ってきて、素の方がマシなんさぁ!!」
「消えたらね」
「やだ――――っ!!」


気付いたらきっと手にかけてしまう。それは、あなただから、ラビだから。
羨ましいだけなのかもしれない。捕らわれて生きてきた私には輝かしいあなただから。

ほらほら、よそ見してると殺されちゃうよ?
そう、大好きなあなただから殺しちゃいそう。
私は不幸が大嫌い、私は不幸が大好き。



ねぇ、世界を見てきたんでしょラビ?

なら世界を教えてよ、私はここにいる、殺されるコマドリなの。
ねぇ、教えて、あなたに溺れさせて。
そして絶望に叩き込んで、「あなたは私のスズメなの」。



誰がコマドリ殺したの?

スズメは私と言いました。